石見神楽
 
石見神楽とは
石見神楽の起源は定かではなく近世以前とされていますが、文化文政期の国学台頭とともに古事記・日本書紀を原拠とする神話ものが加わり、演目も豊富で極めて多彩です。往時、神の御心を和ませるという神職によっての神事であったものが、明治政府から神職の演舞を禁止する達しが出たことにより、土地の人々の手に受け継がれ、民俗芸能として演舞されるようになりました。
そのリズムは、石見人の気性をそのままに、大太鼓、小太鼓、手拍子、笛を用いての囃子で演じられ、見る人を神話の世界に誘います。
また、石見神楽はその詞章に特徴があります。荘重で正雅な古典的なその言葉は、里神楽には極めて稀だといわれており、その中に織り込まれた土の香りの高い方言的表現、素朴な民謡的詩情とともに独特のものをつくりあげています。

2019年5月20日、島根県西部(石見地域)で伝承される神楽をテーマにしたストーリー「神々や鬼たちが躍動する神話の世界~石見地域で伝承される神楽~」が日本遺産に認定されました。ストーリーを構成する文化財として、石見神楽と大元神楽、そしてそれぞれに関する史跡、伝統芸能、伝統工芸品など52の文化財が認定されています。

 
主な演目紹介
石見神楽の花形 大蛇

高天原を追われた須佐之男命は嘆き悲しむ老夫婦と出会い、訳を尋ねると、夫婦には8 人の娘がいたが、大蛇に7 人の娘をとられ、最後の1 人も取られる運命にあるといいます。 命は、大蛇退治を約束し、毒酒を作らせ、これを大蛇が飲んで酔った所を退治します。この時、大蛇の尾から出た剣は、天の村雲の剣として天照大御神に献上されます。
福を招く神楽 恵比須

八重事代主命の鯛釣りの様子を舞ったものであり、事代主命は大国主命の第一の皇子でとても釣りの好きな神様です。旅人が出雲大社巡礼の途中に美保神社に参詣し、宮人に当社の祭神の縁起を尋ね、祭神の神徳を承り、大人が神の出現を待つところに恵比須が現れ、鯛を釣り上げ寿福を顕すという大変おめでたい演目です。
神と鬼の激戦 塵輪

第14 代の帝・帯中津日子の天皇が、異国より日本に攻め来る数万騎の軍勢を迎え撃ちます。その中に塵輪という、身に翼があり、黒雲に乗って飛びまわり人々を害する悪鬼がいると聞き、天の鹿児弓、天の羽々矢を持って高麻呂を従え討伐に向かい、激戦の末に退治します。2 神2鬼が対決する、鬼舞の代表的な神楽です。
 
石見神楽上演予定
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